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天燈鬼・龍燈鬼の燈籠は明治に勝手に付加された?

興福寺国宝館の、天燈鬼と龍燈鬼(国宝)。
かついでいる燈籠は明治の修理の時、勝手に付け加えられたものである。
ショッキングな事実であるように見えて、実はこの件についてはしかたのない事情がある。
ちょっと気の利いた解説書なら「燈籠は後補」と書いてある。

気をつけなければならないのは「後補」とはどういう意味か、ということをきちんと理解しておく必要があるという事である。

天燈鬼01 龍燈鬼01

明治の初め頃には文化財の修理方法などは確立されていなかった。明治の後半にやっと美術院ができて、修理方法を模索しはじめた。
それまでは、奈良の職人が、ボランティアのような形で行っていたのだそうだ。

この天燈鬼と龍燈鬼、明治の初年ごろには、バラバラの古材だった。それも仏像の修理用の材木として職人たちに提供されたものだった。
つまり興福寺側は、それが鬼の彫刻である事もわからなかったのだ。

その職人の一人である森川杜園(もりかわとえん)が、この古材を組み合わせると鬼の彫刻になることに気づき、なんとなく形になり様になってきたので、燈籠を新しく作り付け加え、今の姿になったらしい。本当は、何を担いでいたのか分からないのだそうだ。

1997年(平成9年)発行の「興福寺国宝展 南円堂平成大修理落慶記念」の図録によると、

西金堂焼失時の記録は龍燈鬼像の腹内に建保三年(1215年)法橋康弁が作った旨の書付があったと伝える。


とある。

西金堂が焼失したのは、享保二年(1717年)のことだという。
とすれば、おそらくこの像は、火災時に焼失から、まぬがれ、堂内から救い出されたものの、バラバラに壊れ、その時に像内から書付が出てきた、ということだろうか。

それならそれでいい。事実をきちんと伝えればいいと思う。
ただ私が仏像を見るときに一番困るのが、修理した箇所があっても、それが説明されない事が多いということだ。

現に興福寺のサイトを見ると、

像内に建保3年(1215)に法橋庚弁が造ったとする書きつけがあります


と断定していまっている。
http://www.kohfukuji.com/property/cultural/104.html
「書付があったと伝える」と「書きつけがあります」とでは大変な違いだ。
おそらく今は書付は入っていないのだろう。

ただ燈籠を付け加えたことについては、少し弁護してあげよう。
「後補」というのは、失われたものを作るのであるから、もともとがどんな形のものだったか分からないというのが、当たり前の事なのかもしれない。ましてや文化財の修理のあり方が、まったく確立されていなかった時代の話である。とすれば、この「燈籠」の件もしかたのない事だとも言える。

でも、歴史というものは正しく後世に伝えてほしい。仏像の修理された経緯も含めて、その文化財が持っている歴史であり価値ではないか、と私は思う。

隠すようなことではないと思うのだけれど・・・お寺という所は権威を欲するものなのだろうか。

最後に森川杜園の肖像と、東京国立博物館に所蔵されている森川杜園が作った天燈鬼と龍燈鬼の模造の写真を紹介します。

森川杜園肖像 (1820~1894)
森川杜園

天燈鬼・龍燈鬼 模造 明治14年(1881年作)
天燈鬼模造 龍燈鬼模造
解説は以下のとおり。
本作は興福寺の像の1/2模造で、第二回内国博で妙技賞を受賞。
博物局が「御考証之為」として購入した。

サイト内 関連記事:
http://hanakaikou.blog68.fc2.com/?q=%CA%A9%C1%FC

リンク
興福寺
http://www.kohfukuji.com/

東京国立博物館
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=X00&processId=00

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ジャンル : 学問・文化・芸術

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