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桜田淳子とエランドール賞と能年玲奈(あまちゃん)

桜田淳子さんが「スプーン一杯の幸せ」でエランドール賞を受賞したというのはファンの間では通説になっていると思います。そして私は「あまちゃん」こと能年玲奈さんも2014年のエランドール賞 新人賞を受賞したのを、能年さんがDJを担当しているラジオ番組を聴いて知りました。(TOKYO FMのスクール・オブ・ロック 10:00PM~の「Girls LOCKS!」2014年2月24日放送)

■1974年の中頃の撮影と思われる桜田淳子さんと
2013年「あまちゃん」撮影時の能年玲奈さん

JUNKO_140226NOUNEN_140226

■「能年玲奈のGirls LOCKS!」2014年2月24日放送を聴けるのはこちら
http://www.youtube.com/watch?v=Rag9gpZQCtc

能年さんは、「エランドールの意味は、誰が良いかを『選んどる』という意味ではありません」と解説してくれました。

そ、そうだったのか。私は「エランドール賞は本当に何を見てエランドルのか!」と思っていたので、本当の意味(フランス語で「黄金の飛翔」という意味)を知ることができてありがたかったです。

そして「能年ちゃんも桜田淳子さんと同じ賞を取れてよかったねー」と、ラジオを聴いていた時には、本当に幸せな気分で聴いていました。

そして、あらためてエランドール賞についてネットで調べて記事にしようと思ったのですが、思わぬ情報に出くわして、困惑してしまいました。

日本映画テレビプロデューサー協会のHPで「エランドール賞 歴代受賞者一覧」というページがあるのですが、桜田淳子さんの名前が無い!
桜田淳子さんが1975年にエランドール賞を受賞したという情報は、Thanks40のCD&DVDのブックレットのP16にも書かれています。たしか紙ジャケットシリーズのライナーノーツにも書かれていたはずです。

日本映画テレビプロデューサー協会のHPの情報と、上記のブックレットなどの情報と、どちらが正しいのか確かめる術がなく、困ってしまいました。

■エランドール賞 歴代受賞者一覧
http://www.producer.or.jp/elandor/elandor.html

桜田淳子さん自身もアイドル時代には知らされていない情報が多々あるようであり、真実を語れる人が生きているうちに、桜田淳子さんについての、正しい情報をできるだけ発信して欲しいと思います。所詮 一ファンにすぎなかった私には調べる術が無いのです。

私より桜田淳子さんに詳しいファンの皆さんは、どう思われますか?

思わぬ情報に出くわして、本来の目的、すなわち、落合恵子さんの「スプーン一杯の幸せ」が、どのような本であったのかを説明する前に、変な寄り道をすることになってしまいました。

落合恵子さんの「スプーン一杯の幸せ」については、次回の記事で書く予定ですが、今月の更新は、これが最後になりそうです。続きは3月のうちに書けるかなあ・・・なにせ3月は年度末で何かと忙しい月。3月は1回更新できるかどうか、というところです。

(文中の敬称は適当に省略しました)
※(ブログ内の、誤字脱字の類の間違い、私が表現に不満を感じた部分は、見つけるたびに予告なく修正します)

ブログ内関連記事

桜田淳子ちゃんの「ひとり歩き」と「スプーン一杯の幸せ」
http://hanakaikou.blog68.fc2.com/blog-entry-65.html

桜田淳子さんが「スプーン一杯の幸せ」に寄せた推薦文
http://hanakaikou.blog68.fc2.com/blog-entry-233.html


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テーマ : 個人的な映画の感想
ジャンル : 映画

桜田淳子さんが「スプーン一杯の幸せ」に寄せた推薦文

 桜田淳子さんの初主演映画の原作者である、落合恵子さんの著作「スプーン一杯の幸せ」シリーズは全部で6冊あります。そのうちの1冊に桜田淳子さんが、本の推薦文を書いているので、その内容を紹介します。

■桜田淳子さんの推薦文
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 これは「愛・スプーン一杯の幸せ ぶきっちょな恋の日々に」(昭和50年4月15日初版 祥伝社刊)のブックカバーに掲載されたものです。当時の桜田淳子さんの若々しい感性が素直に表現されていて、とても良い文章だと思ったので紹介してみました。

■ブックカバーを開いた画像
この画像の左端の白い部分に淳子ちゃんの推薦文が掲載されている
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 「愛・スプーン一杯の幸せ ぶきっちょな恋の日々に」は、「スプーン一杯の幸せ」シリーズの4冊目にあたります。
 桜田淳子さんの推薦文の「十ヶ月ぶりのお手紙」とは、「スプーン一杯の幸せ」シリーズの三冊目(続々スプーン一杯の幸せ おとなの愛の処方箋)が、昭和49年6月15日が初版であり、その日から数えて10ヶ月目の昭和50年4月にシリーズの4冊目が発売されたため、「十ヶ月ぶりのお手紙」と表現しているわけです。
 淳子ちゃんの推薦文が載っているのを発見して、私はちょっとだけ幸せな気分になれました。

■愛・スプーン一杯の幸せ ぶきっちょな恋の日々に
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■映画「スプーン一杯の幸せ」の撮影はどのように進められたのか
 では、映画のほうの「スプーン一杯の幸せ」の企画から完成までの経過を、おおまかに記してみましょう。(参考文献:近代映画6月号臨時増刊 桜田淳子特別号)

この特別号に掲載されている「撮影インサイドレポート」を中心に、他の記事の内容も適宜追加してまとめてみました。

■桜田淳子特別号の表紙
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1974年9月 桜田淳子主演の映画製作の企画が出る。どのような作品が良いか検討が始まる。
1974年11月 落合恵子の著作「スプーン一杯の幸せ」を元に映画化することが決定。
1975年2月19日 製作発表の記者会見を行う(淳子さんは記者の質問に唇をピクピク震わせるほど緊張していたらしい)

■記者会見の日に撮影されたと思われる
落合恵子さんとのツーショット
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1975年3月3日 松竹撮影所(大船)にてクランクイン(バトミントンの部室のシーンから)

撮影二日目、午前中は撮影所でのセット撮影。夕方から上野広小路付近で歩くロケを夕方から開始。通行人に「桜田淳子だ」とすぐに取り囲まれてしまうため、撮影が進まず、ロケは夜の8時近くまでかかってやっと終了。
その後、桜田淳子は、テレビや歌の仕事で1週間ほど撮影を離れる。

1975年3月19日(または17日?) 京浜女子大体育館でバトミントンのシーンのロケ

■淳子ちゃんのバトミントンスタイル(共演の早乙女愛さんと)
体育館の中はものすごく寒かったのに、ノースリーブ、ミニスカートの衣装で撮影
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翌日、谷中のお寺でのロケ。

1975年3月28日早朝 伊豆大浜海岸ロケ。前日のテレビの仕事のため大浜海岸の旅館に着いたのが28日当日の午前2時。2時間ほど仮眠して、午前4時には撮影に向かう(お母さんのばか~、先生のばか~!と叫び砂浜を走るシーンの撮影)
その後、車で石廊崎まで移動。

1975年3月29日昼 石廊崎ロケ
この間に、3月中旬に相澤社長宅への引越し、3月下旬に国本女子学園への転入試験あり。

1975年4月1日から6日まで 仕事(スター誕生!ハワイ篇特別番組)でハワイに行くため、この間、撮影は中断

■ハワイでの桜田淳子(右端)、山口百恵(中央)(左端は森昌子さんかな?)
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1975年4月7日 国本女子学園の新学期の開始日だったため、少しだけ学校に行く。
※筆者注:1975年4月7日にはフジテレビの「夜のヒットスタジオ」の出演もあったと思われ、ここで「撮影は三分の二くらい終わりました」と答えている。

 また司会の芳村真理から「来週の月曜日は淳子ちゃんの17回目の誕生日です!」と花束を渡され、主題歌「ひとり歩き」を歌っている。
http://www.youtube.com/watch?v=m1xhIZfUypo
歌声に少し元気が足りないように聞こえるのは私の気のせいか? それとも疲労がたまって声が張れないのか?

■夜のヒットスタジオで花束を受け取る桜田淳子さん
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新学期になっても撮影は終わらず、撮影の追い込みに入る。

1975年4月8日 松竹撮影所内で、一週間早いバースデーパーティーを2千人のファンを集めて開催。ここでも「ひとり歩き」を歌う。その後全員で予告編を見てこのイベントは終了。

4月11日 ファーストシーンの野点(のだて)のシーンの撮影。足がしびれて「百面相」する表情が「どうも不自然だ」と監督から注意され、何度もテストを繰り返す。

4月18日 全てのシーンの撮影を完了。
桜田淳子談「映画の撮影は正味20日間かかったそうですが、アッという間の出来ごとでした」

1975年4月26日 映画「スプーン一杯の幸せ」公開
(※公開日の出典:ウィキペディア)

なお1975年4月25日から5月1日まで、桜田淳子さんは日劇でワンマンショーを開催。

■「スプーン一杯の幸せ」の撮影は、ものすごいハードスケジュールだった
 この頃の淳子ちゃんは、本当にめちゃくちゃなハードスケジュールだったのですね。映画の撮影は寒い日が多く、また撮影所へ通うため朝が早く、12時間ぶっとおしの撮影など夜遅くまで撮影が続くことも多く大変だったようです。

 よく芸能人が「私はどこでも寝られるのが特技です」なんて言っていることがありますが、本当は寝る暇が無くて、空いた時間があると、すぐ眠りに落ちてしまうというのが実態なのかもしれません。
 淳子ちゃんの頑張りを考えると、もっと愛情をもってこの映画を見てあげないといけないかなあ・・・

 さて、私が落合恵子さんの「スプーン一杯の幸せ」シリーズを購入したのは、この本が「小説」と紹介されることが少なくないからです。この本を小説と呼ぶのが相応しいのか、また「この映画が『スプーン一杯の幸せ』を原作として作られている」と説明するのが適切なのかを検証するのが本来の目的でした。それについては、後の記事で書くことにします。

(文中の敬称は適当に省略しました)
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テーマ : 映画を見て、思ったこと
ジャンル : 映画

桜田淳子ファンから見た百恵さんの映画「霧の旗」の巻

 桜田淳子さんのファンとして、山口百恵さん、森昌子さんの主演映画を見ると、その出来栄えが素晴らしいことを、とても羨ましく思います。私は淳子さんのファンなので、彼女が高校時代に主演した「青春三部作」の良いところを見つけて鑑賞しようとするのですが、一般の映画ファンの方にお勧めできるレベルの映画かというと、ぜんぜん自信がありません。淳子さんをプロデュースしていたサン・ミュージックさんを責めるつもりは毛頭ないのですが、高校時代の主演映画「三部作」は残念な出来栄えという感は否めないです。

ホリプロの企画力について
 さて、そんな私がホリプロさんのプロデュースのやり方を見ていて、感心した点が一つあります。つまり、百恵さん、森昌子さんを映画に主演させるにあたり、ホリプロは、しっかりした原作があって、しかも一度映画化された作品をリメイクするという手法を徹底してやったことです。私はこの点について、森昌子さん主演の「どんぐりッ子」について調べていたときに、はじめて気が付きました。

■山口百恵主演「霧の旗」の予告編というか・・・


■山田洋次監督「霧の旗」1965年公開の予告編URL
※山口百恵さんの「霧の旗」の本当の予告編のURLを載せる予定でしたが、
削除されてしまったようです。
http://www.youtube.com/watch?v=V9_MWgTxUqU

リメイクという手法のメリット
 リメイクという手法のメリットは、脚本完成までの時間を短縮できる、作品のレベルを維持できる、原作が名作であるため集客力も期待できる、などでしょうか。

 「どんぐりッ子」の原作は由紀しげ子さんの「女中ッ子」です。

 原作では、子犬を隠れて飼う克美少年と、女中の「織本はつ」の交流がメインとなっていて、映画で描かれるその他の数多くのエピソードは、昭和30年の映画化の際に、脚本家が新たに付け加えたものです。この映画オリジナルのエピソードを付け加える作業は、かなり時間を要する作業だと思います。新たに「創作」しなければならないのですから。

 リメイクという手法は、安直な手法と思われがちですが、当時、とてつもなく忙しく、学業もあり、しかも高校卒業までに1年を切っていた森昌子さんにとっては、非常にありがたい配慮だったと思います。そして出来上がった映画も、どこに出しても恥ずかしくないレベルに仕上がっていました。私は昌子ちゃんにぴったりの企画をタイムリーに用意することが出来たホリプロの企画力に感心しました。


女優としての山口百恵さんについて
 山口百恵さんの映画も同様です。山口百恵さんについてもホリプロさんは、しっかりした原作があり、一度映画化されている作品をリメイクするという手法を徹底してやりました。初主演映画「伊豆の踊子」などは、いかにも安直な企画のように見えます。でもこれが百恵さんの成功の一助になったように思うのです。

 山口百恵版「伊豆の踊子」については、当時の製作事情が、朝日新聞の土曜日版(2013年9月21日)に掲載されたことがあります。とても興味深い内容でした。その記事によると、百恵さんの「伊豆の踊子」は、予算も製作期間も最低ランクの扱いで、予定されていた公開日は11月下旬。この時期は集客が見込めない映画館の閑散期にあたるそうです。つまり、この映画が大ヒットするなどということは、多くの映画関係者は考えていなかった。

 監督の西河克巳によれば、製作期間は22日。そのうち山口百恵が参加できたのは1週間ほど。普通に撮っては絶対に間に合わないので、百恵さんのそっくりさんも使った。そしてさらに西河監督は、東宝が公募し強く推した現役の東大生を使うことを拒否。主役が2人とも演技の素人では厳しいとして、三浦友和の起用を主張し、東宝側の反対を押し切った。映画作りを熟知したベテラン監督ならではの判断だったと思います。

 しかし試写を見た東宝は、急遽、年末の公開の正月映画に格上げすることを決定。予想を超える出来栄えだったという事なのでしょう。そして映画は大ヒットし、山口百恵はもちろん三浦友和にもファンレターが殺到。すぐに次回作「潮騒」の製作が決定。以後、百恵・友和のゴールデンコンビの映画はシリーズ化されることになります。
なお当時15歳だった山口百恵さんの演技については、西河監督と撮影監督の萩原憲治さんは「この子、相当できるな」と感じたそうです。

 初主演作「伊豆の踊子」は、撮影条件としてはあまり恵まれていたとはいえず、三浦友和さんが共演者に選ばれたのも、厳しい撮影条件ゆえの選択だったのですが、山口百恵さんは、これらの不利な条件を、有利な条件に変えてしまう才能と強運を持っていたのでしょう。山口百恵さんは歌でもテレビでも映画でも大ヒットを飛ばすことが出来た、最後のスターだったと思います。

 また山口百恵さん、森昌子さんの映画の完成度が高い理由は、過去に同じ作品を演出した監督を起用するとか、同じ脚本家に依頼し、現代版に書き換える作業をさせたことなども大きいでしょう。

霧の旗について
またまた前置きが長くなりました。やっと「霧の旗」についてです。
 この映画は私が始めて見た山口百恵さんの映画です。当時の私の目的は併映の「惑星大戦争」を見ることでした。「霧の旗」はついでに見ただけなのですが、自分でも呆れるほどワンシーンも記憶に残っていません。しかしこの映画を見た当時、居心地が悪くなるような印象は持たず普通に鑑賞できたという事は映画の質がきちんと維持されていたということなのかな、と思います。

 さて、私は「霧の旗」の内容を全く忘れてしまったので、「あらすじ」をネットで調べたのですが、適当な記事を見つけることができませんでした、そのため、あらためて松本清張の原作本を買いました。原作は文庫本にして300ページを越える長編。じっくり読む時間は無さそうでした。新潮社版の文庫本には、評論家の尾崎秀樹さんが解説と粗筋を書いてくれていたので大変ありがたかった。

 尾崎秀樹さんの解説は、かなり高度な内容になっていると思うので、これをベースに「あらすじ」を紹介してみましょう。

あらすじ
 主人公の柳田桐子(やなぎだきりこ)は、無実の罪から兄を助けるため、はるばる九州から上京し、著名な弁護士である大塚欽三の事務所を訪ね、すげなく断られてしまうところから、この物語は始まる。桐子の兄の事件というのは、北九州市のK市でおこった金貸しの老婆殺しで犯人とされたことであった。兄の正夫は同市の小学校教師だったが、学童たちから徴収した修学旅行の積立金三万八千円を帰宅の途中で落し、弁済の方法がつかず。金貸しの老婆から四万円を高利で借りた。しかし安サラリーマンの正夫には、利子も払いかねるありさまだった。

 事件のあった当夜、そのことで金貸しのもとを訪れた正夫は、老婆が殺されていることを知り、自分名義の借用書を抜き取って逃げ帰った。だがそのためかえってあやしまれ、ズボンについた血痕等が物的証拠となって、下手人とみなされてしまう。柳田正夫はいったん自供したものの、検察庁ではその自白をひるがえし、罪状否認のまま公判廷では一審で死刑の判決を受け、控訴中に獄死した。つまり強盗殺人の汚名をきたまま死んだわけである。

 妹の桐子は正夫の無実を信じ。大塚弁護士に必死になってたのんだが、多忙な大塚弁護士は弁護料の高額であることを理由に、桐子の願いをしりぞけた。桐子のショックは大きく、兄が汚名をきたまま獄死したことを、一途に大塚弁護士のせいであると思いこみ、それまでのK市での仕事を捨てて上京し、弁護士に対する復讐をくわだてる。

 大塚弁護士には銀座のレストランを経営している河野径子(こうのみちこ)という愛人がいた。この愛人が偶然なことから、桐子の兄と同様に殺人事件にまきこまれ、その運命のカギを桐子がにぎることになるが、最後までその証言を行おうとしない。大塚弁護士は必死になって懇願するが、桐子の凍りついた心はとけなかった。
大塚弁護士は愛人のスキャンダルをあばかれ、家庭は崩壊し、社会的な名声も失墜してしまい、大きな痛手をこうむるが、それでも河野径子の無実をはらすために敢然として法廷に立とうとする。

 しかし柳田桐子は大塚弁護士を破滅させる決定的な罠をしかける。河野径子の無実を証明できる物的証拠となる「ライター」を渡すと自宅に誘い、大塚弁護士を誘惑し性的行為をさせてしまう。
柳田桐子は翌日、河野径子事件を調べている検事宛に内容証明の手紙を送った。その内容は「大塚弁護士がライターを手に入れたくて無理やり自分に性的行為を強要した」というものであった。大塚弁護士はその検事から、桐子の手紙の内容を知らされ、桐子の復讐を知ったが、当事者だけしか知らない桐子と大塚の行為を反駁することが出来ず、大塚は弁護士という職業も失い、柳田桐子の復讐は成功する。

尾崎秀樹による解説(新潮文庫版より一部抜粋して引用)
-------------------------------------------------
 「霧の旗」は昭和34年7月から翌35年3月にかけて「婦人公論」に連載された長編である。「霧の旗」を発表した昭和34年には、さらに戦後史の黒い影を描いた一連の作品の先駆ともなる「小説・帝銀事件」を書き、次第と政治的・社会的諸事件をあつかうようになってゆく。
 そう見てくると、「霧の旗」の書かれた昭和34年、35年という年は、松本清張のあぶらののりきったときであり、その方向が定められ、さらに次の段階へ歩みだそうとするちょうどそのときにあたっていたことがわかる。「霧の旗」は実際に松本清張の作品史の上において、つぎの時代へ架橋するような位置をしめているといえよう。
(尾崎秀樹さんの解説の引用はここまで)
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松本清張の原作と二本の「霧の旗」の映画について
 戦後史の黒い影を描いた一連の作品の代表作が「日本の黒い霧」であり、さらにその続編にあたる「深層海流」の事を指すのだと思います。

 「霧の旗」を松本清張の作品史や思想的な発展の中での位置づけを考え、その意義を説くというのは、「霧の旗」を読んだだけでは書ける内容ではなく、一般の読者は、なかなか尾崎秀樹さんのような理解に至るのは難しいのではないかと思います。その意味で私は尾崎さんの解説は高度な内容だと思いました。

 また尾崎秀樹さんの解説は、裏を返せば、「霧の旗」は、まだ未成熟な段階にある小説である、というようにも読み取れます。つまり「傑作とは評価できないものである」と言っているようでもあります。
 事実「霧の旗」については、小説についても映画についても、柳田桐子の復讐劇にとまどい、「主人公の行動には共感できない」「お門違いの復讐ではないのか」というレビューが数多く見られます。

 しかし、尾崎秀樹さんの解説を読むと、そのような感想を持つのはむしろ自然な事であると理解できます。柳田桐子の復讐は、異常すぎてモノマニアック(monomaniac=偏執的)である。しかし松本清張が書こうとしているのは、柳田桐子の復讐が正当であるかどうかではなく、社会的な矛盾によって、普通の市民が犯罪に巻き込まれる恐怖を描こうとしているのであり、松本清張がその主題を掴みかけている作品が「霧の旗」なのだ、という意味の解説を書いています。

 新潮文庫の「霧の旗」の裏表紙には「野心作」と書かれ、また1965年の映画、山田洋次監督の「霧の旗」でも「松本清張の異色推理小説」「日本映画にはじめて登場する新しい女性像、 桐子」などの宣伝文が使われています。「傑作サスペンス」などと書いていない所は、この作品に対する適切な「宣伝文」なのかな、と思います。

 山田洋次版の「霧の旗」は、数多くDVD化されています。

 原作が松本清張、脚本が橋本忍、監督が山田洋次。 

これを聞いただけで、映画ファンは食指が動きます。これが山田洋次版「霧の旗」が非常に入手しやすいソフトになっている理由の一つではないかと思います。

 「霧の旗」は、話の筋はけっして難しい作品ではないのですが、作品の意義を理解するのは、かなり難しい作品だと思います。「惑星大戦争」を目当てにしていた当時の私では、尾崎秀樹さんのような理解に至るのは、とうてい不可能な事でした。「霧の旗」は意外に手強い映画なのです。

 私は山口百恵&三浦友和版の「霧の旗」は映画館で見て以来、一度も見ていません。過去にDVD化されているものの廃盤となり、中古の値段は少々高め。また2013年の12月末に発売された「山口百恵 映画全集1974-1980」(79,800円ナリ!)はちょっと高すぎますねぇ。しかもブルーレイ。ハイビジョンテレビもブルーレイープレーヤーも持っていない私は、まずブルーレイのプレーヤーを買わなくては・・・

 山田洋次版「霧の旗」の主人公は倍賞千恵子さんが演じていますが、もし同じ橋本忍の脚本で山口百恵さんが演じたら、と想像してみたのですが、ミステリアスな雰囲気と年齢以上に堂々とした雰囲気を持っている百恵さんのほうが、ずっと迫力があるかもしれない、と感じました。山田洋次版と西河克巳版の「霧の旗」の比較は、かなり興味のあるところですが、金欠病の私には難しいでしょう。百恵ちゃんの「霧の旗」を再見するのは、もう少し先になりそうです。

おわりに (映画館で見たことのメリットなど)
 最後に、映画館で山口百恵さんの映画を見たメリットをもう一つ。それは、山口百恵の映画のファン層を見ることが出来たことです。予想外に女性の観客が多かった。おそらく山口百恵さんと三浦友和さんは本当の恋人同士のように思え、二人の関係はどうなのだろうという興味が女性ファンの集客に一役かったのではないかと思います。女の子は恋愛に非常に興味を示しますから。前述の朝日新聞の記事にも「二人に一緒になって欲しかった」という女性ファンの心情が紹介されていました。

 いずれにしても、山口百恵さんの映画は、見る機会が多いのが羨ましいです。桜田淳子さんや森昌子さんの映画(特にアイドル時代の主演作)はなかなか放送されないし、DVD(ブルーレイ)にもならないです。見る機会が少ない(または皆無)というのはファンとしては本当に残念ですね。ソフトは現存するのに死蔵されたまま。松本清張のように資本主義社会の矛盾を感じてしまいます。

 なお併映の「惑星大戦争」はWikiになっていて、驚くほど詳しい情報を得ることができます。特撮ファンの研究熱心さにも感心します。ドイツで大ヒットしたなんて情報はどこでゲットしたのでしょうか? それほど優れた映画というわけでもないのに有料チャンネルで放送されることもしばしばです。こちらも特撮ファンという広いファン層が居るという点が大きいのでしょうね。

参考
松本清張全集は文芸春秋社から刊行されています。上で紹介した「深層海流」は文庫本化されておらず、松本清張全集でのみ購入可能です。

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テーマ : サスペンス・ミステリー
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